糖尿病の歴史上人物は?
我が国の歴史上の人物で糖尿病と考えられるのは、11世紀のはじめ摂関時代に権力を一身に集め、その青年期が源氏物語の主人公である光源氏のモデルといわれている「藤原道長」です。
当時の貴族は詳細な日記を作りその多くのものが現存しますが、それによると道長は51歳のころより胸病になるとともに渇きを訴え、
「昼夜多く飲む、口渇き力なし、食は減らず・・・」
という状態で飲水病と診断されたそうです。やがて視力が低下し、
「人の顔見えず、ただ手にとるもののみこれをみる」
という状態となりました。
62歳になると病気は最終期となり下痢をおこし、その上背中の化膿巣を絞ったことにより敗血症となり、意識を失い死亡しました。
これらの症状と経過は糖尿病とその合併症によく符合しています。道長の日記は自筆のものが現存しますが、晩年には行や文字の重なりがみられ、視力の低下に悩まされていたことをしめしています。
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