糖尿病と意識障害
血糖値のコントロールがうまくいかないと、高血糖による意識障害を起こすことがあります。また、薬物療法を受けている患者さんでは、インスリンや薬の量を間違えたり、食事を抜いたりすると低血糖による意識障害を起こすことがあります。
昏睡( 完全に意識が無く、痛みにも反応しない状態 )ではなく、少量の水を飲める程度の意識障害でしたら、砂糖水を与えてください。低血糖の発作を何度も繰り返すような場合は一度主治医と薬の量などについて相談した方が良いでしょう。高血糖による意識障害の場合は、糖分を摂取してもあまり影響がなく、意識の状態が改善しません。このような意識障害や昏睡の場合は医療機関での治療が必要です。
また糖尿病になりますと、口渇が強く多飲多尿が現れます。多尿が気になるため水分を控える方がいますが、水分の制限は非常に危険な場合があります。腎障害などで水分を制限されている方は別ですが、口渇があるのに水分を制限しますと、簡単に脱水状態となり意識障害の原因にもなります。適正量(1日1〜2リットル)なら飲んで頂いても問題ありません。
意識障害は大変恐ろしいものです。毎日の血糖コントロールに注意し、意識障害が起こった場合の対処などについて主治医やご家族の方とよく話し合ってみてはいかがでしょか。
臨床検査技師・管理栄養士
木下恵里
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